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私にもできるカウンセリング 第2回

記事公開日:2015年05月25日

「お坊さんほどカウンセリングが下手なものはいない!」と、よく言われます。それは、人の話を聴くよりも、自分のほうがしゃべってしまうからだと思われます。

私たち僧侶は、日頃から「お説教をする」とか「人を教化する」といった行動パターンに慣れているせいか、いつのまにか自分が話すことに力点が置かれてしまっているようで、人の話をじっくりと聴くことは、かなり苦手のようです。

カウンセリングの基本は、何と言っても相手の話に耳を傾けること(=傾聴)にありますから・・・答えは簡単です。少しの間、自分の口をストップしてみればよいのです。相手が話を始めたら、自分の言いたいことが出てきても少し待ってみましょう。少なくとも数分間は、だまって相手の話にじっくりと耳を傾けてみましょう。

相手の話を聴く時には、どうしてもその人の話や表現を持たなければなりません。そのためには「焦らず待つこと」がなによりも大切です。しかし、もしがまんできなくなった時には、(1)「でも、もう少しこの人の話を聴いてみようか・・・。あと少しだけでも・・・」、(2)「自分の意見は、この人の気持ちが十分にわかってからでもいいか・・・」などと、こころの中で思ってみてはいかがでしょうか?

※本原稿は、日蓮宗ビハーラ・ネットワーク平成17年3月に掲載した「私にもできるカウンセリング (2)」をそのまま転載しています。

※本原稿は、日蓮宗ビハーラ・ネットワーク加入の僧侶の方向けに執筆したものです。適宜、皆様の環境に読み替えてお読みください。