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こうようメッセージ 私にもできるカウンセリング 第6回

記事公開日:2016年03月04日

~相談時間はどのくらい?~

一口に「相談」といってもいろいろな種類の相談がありますから、その性格によって所要時間は異なりますが、一般にカウンセリングの場合には通常1回につき60分程度を目安に行い、それを継続していくことになります。

カウンセリングでは、相談時間というものを前もってクライアントに伝えてから開始することが大切です。時間を決めて行うことによりカウンセラー(聴き手)は、その時間の中で集中してクライアントの話に耳を傾けることができ、それは余裕のある傾聴姿勢へとつながっていくことになります。またクライアントのほうもある程度の時間を知らされているほうが話を展開していくうえで都合がよいといえるでしょう。

また1回の相談時間をなぜ60分程度にするのかといえば、相談ごと、特に相手の話を聴く(=傾聴)というのはたいへんにエネルギーを消耗する仕事であるからです。相手の話に集中するには、気力、体力も必要で、更に緊張感を持続する限界を考えれば60分程度がその限界ではないでしょうか。たとえば小学校の授業時間は45分、中学校は50分、大学になると90分、講演会などでも90分という時間配分が一般的ですが、これも聴く側の注意の集中力を考えれば当然のことかもしれません。

このようにカウンセリングにおいては1回の相談時間を60分と定めて行いますが、ただ初回の相談においては多少事情が異なります。初回面接では、たとえば申込書に記入したり、来談に至る経過を尋ねたりなどの事務的な手続きに時間を取られることになりますので、もう少し長い時間になってしまうことはやむを得ません。

実際にお寺で相談を行う時には、たとえば前回は多忙で20分しか時間がとれなかったので今回は2時間・・というのでは困ります。コンスタントに60分ペースを作っていくことが大切です。

※本原稿は、日蓮宗ビハーラ・ネットワーク平成20年3月に掲載した「私にもできるカウンセリング (6) ~相談時間はどのくらい?~」をそのまま転載しています。

※本原稿は、日蓮宗ビハーラ・ネットワーク加入の僧侶の方向けに執筆したものです。適宜、皆様の環境に読み替えてお読みください。