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こうようメッセージ 私にもできるカウンセリング 第4回

記事公開日:2016年02月17日

~何でもカウンセリング??~

カウンセリングというのは「相談」という意味ですが、その受け止め方は、人によってずいぶんと違いがあるようです。

最近では「○○カウンセラー」という名称をよく聞きますが、あるテレビ番組で「ガーデニング・カウンセラー」という肩書きの女性が登場していました。いったい何をする人かと思っていましたが、その内容は従来の園芸家といわれる庭木や草花の専門家とまったく変りがありませんでした。植木の手入れの「悩み相談」に応ずる・・という意味では、たしかにカウンセラーなのですが・・。

また、よく目にするのが「無料カウンセリング実施中」という広告です。これは「悩みごと」そのものに対するカウンセリングではなく、その人の悩みを解消するための「商品の販売」が最終の目標になっています。このような商品販売の目的のために行われる相談を、はたしてカウンセリングと呼んでよいのかはなはだ疑問です。この場合には、その人の悩みの解消が尊重されるのではなく、その商品がどれだけ売れたのかということが重要であり、その売れた量によってカウンセリングの成果が判定されることはいうまでもないことです。

このようにカウンセリングとかカウンセラーということばは、法律で細かく決められていることではないので、誰でも自由に名乗り、使ってもよいのです。つまり、「誰でもできるカウンセリング」なのですが「何のためのカウンセリング」であるかということを明確に持っていなければならないと思われます。

またその際、私たちの場合には「教える」とか「指導する」という態度ではなく、相手の持っている力を最大限に引き出すということが大切なことなのです。

※本原稿は、日蓮宗ビハーラ・ネットワーク平成18年3月に掲載した「私にもできるカウンセリング (4) ~何でもカウンセリング??~」をそのまま転載しています。

※本原稿は、日蓮宗ビハーラ・ネットワーク加入の僧侶の方向けに執筆したものです。適宜、皆様の環境に読み替えてお読みください。